オッズ断層+オッズ変動馬券の「前日オッズの法則」をさらにひも解いてみることにする。
まず前回のデータ数は72レースでのデータであった。

今回は168レース分のデータを解析することにする。

前日オッズ1番人気の複勝圏内率
前回の72レースでのデータでは59.7%という数字が出ていたが、168レースになればどうなったのか?気になるところだ。168レース中97レース馬券になっている。割合では57.7%になる。2021年の1人気のこれまで開催された全場の1番人気の複勝圏内率は63.9%なので、6ポイントほど下がった。
前日オッズ上位3頭が1頭も複勝圏内に来なかったレース
この項目に該当するレース数は、全168レース中16レースもあった。割合でいうと9.5%になる。ざっくりいうと、10レースに1レースは前日オッズの上位人気3頭が飛ぶということだ。前回の調査では72レース中5レースという割合でわずか6%ほどだったのが11レースも増えた。
急激に増えた理由の一つが夏競馬開幕週の新潟だ。7月24日(土)に全抜け3レース、翌25日で全抜け2レースを記録した。これが何を意味しているのかというと、馬場状態まで読み切ったつもりで単勝馬券を購入しているはずだが、開幕週はどうもちぐはぐだった、ということだ。現に翌週の7月31日(土)は1レース、翌8月1日(日)も1レースに収まっている。
つまり開幕週は予想がぶれる可能性があるので、単勝だけに頼らず複勝や馬連、3連系の馬券も見据えたオッズ馬券システムを作ることが急務であることを意味している。
前日1番人気はオッズ次第で取捨を
引き続きデータをとり続けている。前日1番人気の一番多かったオッズは3倍台だ。57レースあった。次いで2倍台が51レース。つまり前日オッズは2倍台、3倍台で64%ある。注目すべきは「3倍台」だ。前回のデータでは3倍台は捨てる、という判断だったが、ちょっと情勢が変わってきた。
前日1.0倍以上~1.5倍未満の1番人気
該当レースは168レース中8レースあった。そのうち複勝圏内に来た馬は7頭。1レースだけ外したレースは7月17日(土)の小倉1000ダートだ。前日1.2倍で圧倒的人気だったのが5分前オッズでは3倍台にまでオッズが上がっている。変動率も12位と低いのだが、前日の大量買いされた1番人気は変動順位が低くなることが多い。しかし当日オッズが1.2倍から3.8倍まで上がるもんかね?
断層に注目してもこれだけのオッズだから当然SW(4段階断層)になっている。注目すべきはこの時の2番人気の複勝圏内率だ。8レース中5レースも馬券に絡んでいる。変動順位が4位以上にランクされている前日2人気はこの場合に限っては買いだ。
3番人気は逆に振るわずで8レース中3レースだけ絡んできている。しかも変動順位がなぜか7位の時に2回絡んでいる。でもこの状況下で前日上位3頭が1-2-3で決着した数は1レースだけ。ということはあまり1-2-3にこだわらなくてもよいということだ。
このパターンで馬券の攻め方としては1-穴-2という組み立てが望ましいのだが、10番人気以下が突っ込んでくることは意外と少ない。穴に推挙するのは5人気~9人気になる。
前日1.5倍以上~2.0倍未満の1番人気
対象レースは168レース中16レースで、複勝圏内に来たレース数は13レース。割合で表すと81.3%だ。外れた3レースは小倉1800芝1レース、福島1800芝1レース、新潟1800ダート1レースだ。断層別でみた場合、トリプル(3段階断層)で6レース中2レース外れ、SWで1レース外れた。トリプルの時だけちょっと考慮が必要だがそれ以外なら軸に据えても大丈夫だろう。
この時の2番人気と3番人気に注目してみた。2番人気は16レース中7レース馬券になった。3番人気も同じく16レース中7レース馬券に絡んだ。しかし、1-2-3の独占は2レースだけなのでここもそれほどナーバスになる必要はない。
最後にこのオッズの1人気の変動順位だが10位以下が3回でそのうち1回だけ馬券になった。やはり変動順位が低いのは見送りでいいのではないか。
前日2.0倍台の1番人気
対象レースは168レース中51レースでそのうち複勝圏内に来たレースは36レースで70.6%だ。前回の調査では76.5%あったが、レース数が増えるにつれて割合は減ってきている。特に率が悪いのが函館だ。該当レースが24レースあって、そのうち馬券になったレース数は14レースで58.3%だ。逆に新潟は優秀で該当レースが15レースあって外れたレースは3レースだけ。つまり5レースに1レースは来ない、という状況だ。これなら1人気として信頼はできる。
函館に話を戻そう。まず断層に注目した。2倍台で断層無しなら2人気に軸を振ってもよい。その2人気の話だが、このパターンで1人気が抜けた場合の2人気は10レース中8レース馬券に絡んでいる。とりとめもなく書いてもわかりにくいのでまとめよう。
・断層0:5レース中4レース外れる
・断層1:8レース中4レース外れる
・断層2:7レース中2レース外れる
・断層3:1レース中0レース外れる
・断層4:3レース中0レース外れる
断層が0なら外してもよい。断層が1なら思案が必要。断層が2以上なら買ってもよし。
前日3.0倍台の1番人気
対象レースは168レース中57レースあった。複勝圏内に来たレース数は29レースで50.9%。約半数が馬券になるという結果だ。競馬場別でみてみると函館が24レースで馬券に絡んだレース数が11レースで45.8%。新潟が15レースで馬券絡みが7レースで46.7%。小倉は何と非常に優秀で9レース中7レースも馬券に絡んでいる。しかし小倉のデータ数は前半2日開催だけなので後半が始まるとまた違った結果が出るだろう。あまり過信するべからずだ。
大体50%を切る成績なのでなかなか信頼しずらいオッズだ。断層別でみても
・断層0:37レース中18レース馬券に絡む。48.6%
・断層1:16レース中9レース馬券に絡む。56.3%
・断層2:3レース中2レース馬券に絡む。66.7%
・断層3:1レース中0レース馬券に絡む。0%
・断層4:該当レース無し
これをオッズ別で検証してみた。
3.0以上3.5未満の場合
該当レースは23レースで馬券になったレース数は13レースで56.5%。
函館が20レース中7レースで35%とかなり低い。一方の新潟は7レース中4レースで57.1%
函館の信頼度の低さは逆にありがたい。
3.5以上4.0未満の場合
該当レースは34レースで、馬券になったレース数は16レースで47.1%
函館が11レース中4レースで36.3%。一方の新潟も8レース中3レースで37.5%。3倍台の後半だと信頼度は低いと見ていいだろう。

軸決めについて
前日オッズ1倍台、2倍台は仕方がないがその馬から買うのがベターだろう。ただし、変動順位1位だけはちょっと疑ってかかったほうが良い。ちなみに変動1位の1人気の複勝圏内率は50.8%。2回に1回は抜ける。変動順位1位の5分前1番人気の複勝圏内率は約50%で、5分前オッズで3人気が60%とやや群を抜いている。変動順位1位を狙うのであれば5分前オッズ3人気だろう。
話を戻す。前日3倍以上の1人気は捨てるでかまわない。次点の2人気が軸候補になるが、変動順位が10位よりも下位に位置する場合は次点の3番人気へ。このようにして5分前の人気順で選ぶのではなく前日オッズ順で軸を繰り下げていくのがコツである。一例を示そう。
2021年8月1日(日)の函館7レースだ。
軸決めの方法だが、まず前日オッズ3番が3.9倍で飛ぶ。次点の7番が変動順位最下位でこれも飛ぶ。で次点の9番が軸になる。(画像では全く違う馬を軸にしているが法則を守っていないだけである。)ただこのレース1-2-3人気で決まったレースなので何の妙味もない結果だったが、軸決めは間違っていなかった。
もう1レース紹介する。
同じく2021年8月1日(日)の函館12レースだ。なぜこのレースを選んだのかというと、順番通りに選んでいったら本当に軸になるという典型的な例だからだ。やってみよう。
まず前日1人気10番はオッズが5倍台で飛ぶ予定。次点は14番なのだが、当日の馬体重がー10kgでちょっと嫌だ。仮にこれを蹴ったとして、その次が4番になるが変動順位で11位と低迷しているので外す。その次が11番で変動順位も10位未満なのでこれが最終軸となる。マイナス体重も気にせず軸にしたのなら14から勝負することも可能だ。
ご自分でオッズ解析をやってみたい方は必見!
エクセルにJRAのオッズを貼り付けるだけで分析できる!
コメント